2012/03/28

2012-03-28:オキナグサ


















オキナグサのことを知ったのは、はずかしながらここ数年のこと。
庭に白髪が生えたみたいな植物があったので、
「これ、なあに?」と聞くと、「オキナグサ」と答えが返ってきました。
名前を聞いて「ほほぅ、うまいこと」と感心したので、
早くオキナグサのことを紹介したかったのですが、
どうもイマイチ、タイミングが合わないまま、春がきました。

やっと息の合った今日。
私にとっては、初めて見るオキナグサの花です。
別名「ネコグサ」とは、シャム猫あたりの気高い感じでしょうか。
芝付の  御宇良崎なる
ねつこぐさ  あひ見ずあらば                
我恋ひめやも
「ねつこぐさ(=ネコグサ)のようにかわいいあなたに
逢うことがなかったら、こんなに苦しむこともなかったのに」
と、男性から女性への恋の和歌は、万葉集に詠まれています。
調べてみれば、能楽の「善界」で大天狗善界がかぶる赤熊に似ていることから、
別名「善界草」と呼ばれているとも書かれていました。
この善界とは、野心が旺盛過ぎるがために、
不動明王などから追い払われてしまう坊主のことだそう。
「オキナグサ=翁草」とは漢字のごとく、説明は記録しなくていいでしょう。
やはり見た目に特徴あり、と、過去の人もしたのですね。
銀色に毛羽立つ茎や葉からのぞく深い赤紫の顔は、
おどろおどろしくも色気が漂い、“ケッタイ”ながらに風流です。

暖かくなったり寒くなったり、なんとも移り気なこのごろです。
つい今先ほども、こちらでは雪が少し見えたのですが、
もう今では柔らかい日差しが差し込んできています。
こうして花の咲いているものは、
大丈夫、というしるしなのでしょうか。

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